歯科材料と温度

まもなく8月も終わりますが、相変わらず暑さの厳しい日が続いています。まだしばらくは猛暑が続くようで、秋が待ち遠しい今日この頃です。

ところで歯科医院を受診して、歯の型取りを経験したことのある方は多いと思います。
型取りの材料にも目的によって色々な種類があるのですが、そのうち最も頻繁に使われるのが、アルジネート印象材というものです。「主にピンク色をしていて、口の中に入れてしばらく待つと硬まってくる材料」と聞くと、型取りをした事のある方ならお分かりになるでしょうか。

その主成分は海藻から抽出されるアルギン酸塩で、これに石膏を配合したアルギン酸カルシウムが、歯科用の印象材として使われています。アルギン酸カルシウムに水を混ぜると化学反応を起こして硬まる性質を利用して、歯科治療で型取りの材料として用いられているのです。
アルジネート印象材に水を加えてよく練和し、少し硬めのクリームのような状態でお口の中に挿入します。数分経過すると、これが弾力のあるゲル状になりますので、その状態でお口から外します。ゲル状になった後は水分の蒸発により収縮したり、逆に水分を吸収して膨張したりと寸法変化が起こりやすいため、できるだけ早く石膏を注入して模型を作製します。
アルジネート印象材は操作がしやすく短時間で型取りが行えて患者さん方への負担も少ないので、歯科治療ではよく使われる材料です。しかし混ぜる水の温度や室温によって硬まるまでの時間が変動するので、特に夏場は冷水を用いるなどの工夫が必要になります。

アルジネート印象材に限らず、歯科材料には温度に影響されるものが多数あります。
片山歯科医院のあるビルは全館空調というのもあって、昨今の酷暑では少し空調が効きにくいことがあります。そういった日には、材料の扱いを工夫しながら診療にあたる必要があり、いつも以上に神経を使ってきました。
そんな中、先日ビルの方から来夏に向けて個別空調に変更するとのお知らせがありました。きっと来年の夏も厳しい暑さになると思われますので、この先は材料に関して室温を気にすることなく、また患者さんにも快適に診療を受けていただけるよう期待しているところです。