ホワイトニングの選択

 スギ花粉のシーズンを過ぎ、ここに来て一気に気温が上昇。さらに新型コロナウイルスの感染症分類が5類に引き下げられてから1年が経ったこともあり、マスクを外して外出される方が増えていると思います。そうなると口元が気になってくる方は、多いのではないでしょうか。
長らく続いたマスク生活で、お互いほとんど素顔を見せずに会っていた方とマスクを外して対面した時、無意識に視線が口元へ行くのは当然のことです。口元というのは顔の印象を大きく変える場所で、笑顔が好印象に見えることもあれば、歯の色や歯並びの乱れは逆に印象を悪くしてしまうこともあります。
私たち歯科医療従事者は尚更で、仕事中ほぼマスクを外すことがない上に歯科医師・歯科衛生士は歯がきれいだろうという先入観もあると思いますので、正直なところ初めてマスクを外した姿をお見せすることになった時には内心ドキドキしていたりします。

 ところで歯の色を改善する手段として、最近はセルフホワイトニングという方法を聞くことがあります。ホワイトニングサロンと言われる所でやり方を教わって自分で行ったり、インターネット等でジェルなどを購入して自宅で行ったりするホワイトニング方法です。
ただ歯科医師としては、このセルフホワイトニングという選択をご自身の判断に任せて良いものなのか心配しています。なぜならそもそもの着色の原因が明らかにされないまま、皆マニュアル通りに行われているからです。

着色の原因が汚れやステインであれば、歯科医院でのクリーニングと普段の歯磨きですぐに改善できますので、セルフホワイトニングに費やした時間と費用はもったいないことになってしまいます。また虫歯や歯の失活(神経が死んでしまっている状態)が原因の着色であれば、いくらセルフホワイトニングを行ってもそれが改善されることはありません。セルフホワイトニングには、歯科医師・歯科衛生士が介入することがない分気軽に行えるというメリットがありますが、求めた効果が得られない場合もあります。

ひと口に歯の着色の改善と言っても、その方法にはクリーニング・ホワイトニング・修復治療(詰め物)や補綴治療(被せ物)と、治療法は多岐に渡ります。ですから歯の着色が気になっている方には、歯科医院で一度ご相談されることをおすすめいたします。

当院でもまずはお口の中の状態をチェックし、着色の原因を明らかにします。その上で、患者さんお一人おひとりに適した改善方法をご提案しております。歯の色について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。