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 コラム 第144回      2016. 6. 29

猛暑対策のお話

  夏至も過ぎて、今年ももう半分過ぎてしまいました。 まだ梅雨明け前だというのに、各地から猛暑日のニュースが流れてきます。 今月の初めには、35度を計測した地域もありました。アメリカでは猛暑のせいで山火事が起きて、大変な状況になっていると聞きました。 ここ数日は、しのぎやすい日が続いてはいますが、気象庁によると今年は、例年以上に猛暑日が多いと予想されるとの事です。 猛暑を乗り切るための対策を今から立てておきましょう。

  猛暑に備えて、熱中症の対策については、コラム第131回で書きましたのでお読みください。 この時は、電解質の補充のお話でしたが、体温を下げることももちろん大切です。 高齢者が冷房を付けずに、窓を開けていても風通しの悪い状態で、室内で熱中症にかかり救急搬送される事例が毎年聞かれます。 湿度を保って適温の空調をしていれば、室内で熱中症になることは、まずありません。 それでも汗が出てきたときは、冷たくしたスポーツドリンクを飲んで、シャワーを浴びましょう。 体温調節には、水風呂に入るより、まめにシャワーを浴びることが効率良いとされています。 汗を出して気化熱で体温調節をする体の防御機能を上回る猛暑のときは、電解質の補充に加えて体を冷やすことが大切になります。

  体を冷やすという事は、循環している血液の温度を下げるという事です。 この事はコラム第38回で詳しく書きましたので参考にして下さい。 そこでも書きましたように、体の比較的浅いところを走る、太い血管の所を冷やすのが効率的です。 そして冷たい物を飲んで、体の中から冷やすことも同時に行えばさらに効率よく体が冷やされます。 さらに一工夫で、冷却効果が増す飲み方があります。 それは一気にごくごく飲むのではなく、口の中にためてしばらくしてから飲み込むというやり方です。 口の中には比較的太い血管が粘膜のすぐ下を通っている事と、上あごを冷やすことで、脳も冷やせます。 体を外から冷やして、中からも冷やすことで効率よく体温調節を行いましょう。

  最近は、体温調節を効率よく行える、体を冷やす商品がたくさん売られています。 炎天下での農作業や、スポーツに際しては、これらを必ず携行して、熱中症にかからないようにしましょう。 体に異変を感じたときは、我慢せず、速やかに体温を下げる事と、電解質の補充を行ってください。

  今月は、以前のコラムを読み返していただく形になりましたが、熱中症から体を守るためには、 コラム第38回コラム第131回がセットで求められます。 気象庁が今から警告している今年の猛暑を、みなさんが無事に乗り越えられますように、ぜひ読み返していただければと思います。


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