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講演会のお話
ようやく、凌ぎやすい季節になりました。
お彼岸には、両親のお墓参りに金沢に行ってまいりました。
いつもの様に小松空港まで飛行機で行き、高速バスで金沢駅に向かうルートで、およそ3時間で到着しました。
飛行機に乗っている時間はおよそ1時間なのですが、前後に2時間かかったことになります。
来年行く頃には、北陸新幹線が開通している予定なので、次回はそのルートを使おうと思います。
東京駅から金沢駅まで、2時間半だそうなので、ほぼ同じ時間で着けるようです。どちらが良いか、比べるのが楽しみです。
前にもお話しましたが、秋は学会や講習会の多い季節です。
今年は、私が講演をする側に立ち、今その準備をしているところです。
中央区で活動するケアマネージャー、看護師、介護福祉士などの講習会の演者を頼まれ、中央区役所でお話をします。
日々介護を実践していらっしゃる皆さんに、専門の立場から明日から役立つ口腔ケアの実践教育をしてほしいということです。
コラム第101回で書きましたように、以前にも中央区からの依頼で、
在宅介護をしていらっしゃる区民の方々に口腔ケアについてお話させていただきましたが、今度は介護職の専門家が聴衆者なので、
専門的な内容をかみ砕いてお話ししようと考えています。
日本人の多くが望んでいるように自宅で人生を終えることを実現させるには、咀嚼(そしゃく)力と嚥下(えんげ)力を維持することが
大切だと考えています。
咀嚼力とは、硬い物を咬む力(咬合力)とは違い、リズミカルに上下の歯を噛み合わせながら食物を飲み込みやすくできることを言います。
咀嚼すると舌、唇や頬も動き、唾液もたくさん出てきて、食べ物をしっかり味わいながら喉の方へ運ぶことができます。咀嚼の刺激は脳細胞へも伝わり、
脳の老化や認知症進行を緩やかにすることがわかっています。
嚥下力とは、咀嚼された物をうまく飲み込む力のことを言います。
飲み込む物が喉を通過するときは、反射によって一瞬にして気管が閉じ、食べ物は食道へと送られます。
これを嚥下反射といいますが、反射の起きるタイミングと筋肉が収縮するタイミングがずれると、気管の蓋がうまく閉じずにむせを起こしてしまいます。
ですから、嚥下力を維持する筋肉を鍛えることで、誤嚥がもとで起きる肺炎を予防することができます。
このことを介護の専門職の方たちにしっかりお伝えしたいと思います。
できて当たり前だったことが、少しずつできなくなるのが老いるということです。
そのことを受け入れて、咀嚼力や嚥下力の維持のための口腔ケアが重要なことを強くお伝えしてきたいと思います。
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