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 コラム 第108回      2013. 06. 28

iPS細胞臨床応用のお話

  今年の梅雨はまとまった雨が降らず、夏場の水不足を心配していますが、場所によっては大雨に見舞われ被害も出ているようです。 最近よく耳にするゲリラ豪雨も起きやすい時期とのことですから、天気予報をきいて備えるようにしましょう。

  さていよいよ、iPS細胞の臨床応用が始まることのことです。 昨年、山中教授がノーベル賞を受賞したことで一気に弾みがつき、日本は世界に先んじての一歩を踏み出すことになります。 難病で苦しんでいる方には待ち望んだ朗報だと思います。 今回始まるのは、目の加齢黄斑変性への臨床応用で、3〜5年後には心筋梗塞への心筋や脊髄損傷への神経幹細胞など、 また骨格筋や腎細胞の移植なども計画されています。 これらは、試験管の中でiPS細胞をそれぞれの用途に応じた細胞へと進化させ、目的の臓器へ移植するというもので、 臓器を丸ごと作ってから体内へ移植するのはもっと先になるようです。 歯科分野でも骨や歯根膜の再生医療は進んできていますし、歯を丸ごと作れる日もそう遠くないと期待しています。 しかし以前のコラム(第32回)でも書きましたように、歯や臓器を丸ごと作って移植するには、 どの時期に作り始めて、いつ移植するかのタイミングや、倫理問題も含めて、まだ越えなければならないハードルがいくつもあるようです。 受精から母胎内で発生し、ゆっくりと時間をかけて成長したものと、短い時間での細胞増殖で作られたものが全く同じとは思えません。 成長が速いということは老化も速いということですし、急激な細胞増殖にはガン化のリスクも高く存在します。

  私も、生まれてからゆっくり時をかけて成長し、この6月に60年が経ちました。 長かったようにも、あっという間だったようにも思えます。 お蔭様で、どの細胞も正常?に働いて無事還暦を迎えられたことに感謝しています。

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