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 コラム 第104回      2013. 02. 28

食いしばりのお話

  2月も終わろうというのに、まだまだ寒さは厳しい状況です。 東日本大震災からもうじき2年になります。被災地が一日でも早く普通の生活が出来るようになることを願っております。 なんと言っても福島第一原発の処理が今どんな状況なのかはっきりとわからないというのが、辛いところです。 現地には、今も毎日戦っている方たちがいらっしゃることを思うと、感謝の気持ちで一杯になります。 しかし、このような規模の原子力発電所の事故は、世界で始めてのことで、この処理法など今後に向けて、日本発の確実な処理施設を作っていって欲しいと思います。

  寒いなか、歯を食いしばってがんばっていらっしゃる方たちに、食いしばりは良くないといっても無理かもしれません。 しかし食いしばる事で、様々な問題が起きてきます。 以前のコラム(コラム第6回)にも書きましたが、食いしばると歯根膜が圧迫されて血行不良となります。 歯の周りの骨が緩んで、歯がグラグラしてきます。 この時、歯の周りに歯垢や歯石がたくさんついていると、歯茎から細菌が進入して、化膿を起こします。 これに加えて、食いしばる力で歯が沈下したり、欠けたり、歯の根が割れてしまって激痛を起こすこともあります。

  噛み合わせは、上下の歯が噛み合うとき、それぞれの歯の山に相手の歯の谷間が入り込むように出来ています。 前歯には前歯が、小臼歯には小臼歯が、大臼歯には大臼歯が噛み合わさると、上手い具合に山に谷が接触するようにできています。 そしてそれぞれの歯の根にも、加わった力が分散するような形に神様が設計してくれています。 若いうちは、食いしばっても噛む面に複雑な溝があって点接触になっていて上手い具合に力が分散されますので、 さほど重篤にならずに済みますが、年とともに歯の表面が磨り減ってくると、面接触となり、先に書いた現象が起きてきます。 更に、噛み合わせがずれて、顎関節症を起こすこともあります。

  この悪循環を断つには、食いしばりをやめることなのですが、なかなか難しいようです。 しかし、口腔内を清潔に保つ事で、起こりうる様々な症状が回避されます。 同時に上下の歯の間に緩衝用の装置をはめることで症状が改善されます。後は出来るだけ、食いしばらないように意識することが大切です。 10分ごとにタイマーを掛けておき、そのときご自分が食いしばっていたかどうかを調べてみてください。 本来顎が安静状態にあるときは、上下の歯は噛み合わさっておらず1〜2mmの距離があるものなのです。 実験してみて、いつも噛み締めているようでしたら、要注意です。歯科で緩衝用の装置を作ってもらいましょう。

2月の歌舞伎座 (2013/02/12)

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