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 コラム 第71回     2010. 5. 26

歯が蘇るお話 2

 今年に入って毎回の書き出しがおかしな気候のことばかりのようです。今年の気候はどうなっているのでしょう。昨日と今日との気温の差が10℃以上もあっては、ご高齢のかたのみならず、体調を崩してしまいそうです。先月で幕を下ろした歌舞伎座も、フェンスに囲まれて今はひっそりとした、たたずまいを見せています。

 さて今月に入って、再生医療のシンポジウムと講演会に続けて参加し、以前にコラム(第32回 歯が蘇るお話)で紹介した、東京理科大学の辻先生のお話を直に聞いてきました。長年疑問に思っていたことを、だいぶ整理することが出来たように思います。作った歯胚をいつ何処に植えつけて、どのくらい待てば萌出するのかということも、解決しつつあるように思います。

 幹細胞から作った歯及び歯周組織が緑色に発光するようにして、もともとの組織細胞とどのように絡み合って成長してゆくのかという実験的研究を、どんどん進めているということでした。これは、2008年に緑色蛍光たんぱく質GFPの発見と開発でノーベル化学賞を受賞された、下村脩先生の研究成果を利用して行った事だそうです。GFPを導入した再生歯胚をマウスの抜歯した臼歯部に移植すると、蛍光を放つ歯が萌出してきたということでした。これを見たときの辻先生の興奮は、講演を通じて伝わってくるものがありました。

 今後は、歯だけを再生させるのではなく、歯とその周りの歯周組織や神経を含めて全て再生させ、必要とする部位に移植するということに取り組んで、さらには切歯と臼歯との作り分けをも可能にしたいとのことでした。

 辻先生は、歯の再生に関する研究をゼロから始めて、たった7年でここまでたどり着いたということですから、並々ならぬ努力の成果だと頭が下がります。研究スタッフの中に若手の歯科医が集まりだしたとの事ですし、今後も先生の研究に大いに期待したいと思っています。



歌舞伎座 千穐樂 (2010/4/28)


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