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 コラム 第208回  2021. 10. 29

歯ぎしりのお話

気温が下がって寒い日が続き、風邪を引かないよう気をつける日々となりました。 新型コロナウイルスも東京では感染者数2桁の日が10日以上続き、このまま収束することを願っております。 しかし、また第6波は来るであろうと言われていますので、引き続き感染対策を講じながら診療を行っていきたいと思います。

緊急事態宣言が解除され少し移動しやすくなり、久しぶりに受診される患者様が増えていらっしゃいます。 お話を伺うと歯茎が腫れることがある、食事で噛んだ際に痛みを感じる、と訴える方が多いような印象を受けます。 また、詰め物が取れてしまったために来院される方もいらっしゃいます。お口の中を拝見すると多く見られるのが歯の破折です。 以前のコラムでは食いしばりについて書きましたが、歯ぎしりも歯の破折の原因の一つとなります。 食いしばりは日中や就寝時に起こりますが、歯ぎしりは就寝時に起こることが多いものです。 原因としてストレスが最も多いと言われています。 そして歯ぎしりをする際に歯に加わる力は体重と同程度の力とされており、日々歯ぎしりをしていると歯への負担は蓄積され結果として歯の破折が生じます。 そして歯が破折すると、抜歯を選択せざるを得ないケースが多くなってしまいます。 他にも歯と歯茎の境目に応力が集中することでエナメル質が破折し象牙質が露出して知覚過敏が生じたり、歯周病により炎症がある場合では骨の吸収の進行を招くこともあります。
歯ぎしりの対処法の一つにマウスピース(スプリント)の使用があります。 マウスピースは市販のものもありますが、噛み合わせの調整が必要であり歯科医院で歯型を採り作製するものを使用していただくのが望ましいです。 マウスピースを使用することで、直接上下の歯が接触しこすれて歯がすり減るのを防ぎ、歯に加わる負担を減らすことで歯の保護をすることができます。 実際、私も歯ぎしりをするためにマウスピースを使用していますが、装着せずに就寝してしまった日の翌朝は顎が疲れているなと感じるため、身をもってその必要性を感じております。

天然歯はもちろんのこと、被せ物などの治療をした歯もお口の中で機能していくうちにすり減りが生じて入れた時よりも歯に加わる負担が増えることがありますので、 定期的に噛み合わせを確認し調整する必要性があります。 噛んだ時の痛みや何もしないときに顎に違和感等、気になることがありましたらご相談ください。



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