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 コラム 第206回  2021. 09. 03

当たり前になったマスク

未だ収束の見込めない新型コロナウイルス感染の蔓延により、私たちの日常でマスク着用は当たり前のこととなりました。 2020年の新型コロナウイルス感染拡大当初はマスクの入手が困難となり、政府が配布した布マスクや手作りマスクを使用した方もいらっしゃったかと思います。 そのような時期を経て、現在では通気性の良いウレタンマスクやファッション性の高い布マスク、さらにはカラフルな不織布マスクまで、様々なマスクを目にするようになりました。

マスクの着用を促されたのには、新型コロナウイルスの感染経路は飛沫感染と接触感染であると言われたことが背景にあります。 しかしここにきて、WHOはこのウイルスの空気感染の可能性を認める方向になってきました。 飛沫感染であれば、ウイルスを含んだ水分、すなわち飛沫が咳や会話によって飛び散り体内に入り込むことで感染します。 水分を含んだ飛沫は重いので、すぐに地面に落下していきます。 しかし空気感染となれば、飛沫の水分が蒸発した粒子(エアロゾル)によって感染するわけで、 このエアロゾルは直径が非常に小さく軽いため長時間空気中に浮遊し、遠くまで飛んでいくことができます。 そこでマスクの目の粗さが重要とされるようになってきました。 不織布マスクは文字通り繊維を織らずにシート状にしたものでできており、他の種類のマスクと比べると目が細かく遮断性が高いので感染対策に効果が高いとされているのです。 これが背景にあるのか、先日子どもの通う幼稚園から不織布マスクを着用するようにとの連絡がありました。 また現在開催中の東京パラリンピックでは、日本選手たちが公式の赤い布マスクの下に不織布マスクを使用している姿がTVに映されています。 これは1か月前のオリンピックの際には見られなかったように思います。

もともと歯科診療ではエアロゾルの発生はどうしても避けられません。そこで当院では口腔内および口腔外バキュームの併用や、 扇風機と医療用空気清浄機を用いて換気を促すといった対策をしています。 そして私たちスタッフは遮断性の高いN95マスクを着け、さらにその上から飛沫が目に入るのを防ぐためのフェイスシールドを着けて診療を行っております。 マスクを着けていると暑さや息苦しさなど感じますが、患者様方におかれましても自身の身を守り、周りにも感染させないために改めてマスクについて考えていただければと思います。

現在日本では、過去にない感染爆発の状態が続いています。どうぞ皆様お気をつけてお過ごしください。



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