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 コラム 第204回  2021. 06. 30

歯周病と新型コロナ

先日、新型コロナワクチンの2回目の接種を終えました。 副反応は2回目のほうが強く出ると聞いていましたが、幸い軽い腕の痛み程度で、仕事にも影響なく済んだのでほっとしました。 通院されていらっしゃる患者様からもワクチンを接種した、これから接種するというお話を伺います。 皆様、少しでも安心して過ごす日々が来ることを望んでいらっしゃるのだと感じます。

新型コロナウイルス感染症を含む全身疾患の重症化リスクを下げることに“歯磨き”があります。 私たちは日々歯磨きをしますが、歯磨きの目的として虫歯や歯周病の予防があります。 6年に1回、厚生労働省から発表されている歯科疾患実態調査において、1日2回以上歯を磨く人が77%と報告されています。 これは平成17年の69.5%と比較すると増加しており、口腔内への関心が高まっている為だと考えられます。 そして8020(80歳で20本以上の歯を有する)達成者の割合は約51%と半数の方が達成しています。

しかし一方で、歯周ポケットが4mm以上(健康な歯茎では1〜3mm)を有する人の割合も以前より増加しています。 このことから、残っている歯は増えているものの、その分歯周病が増えていることが分かります。 歯周病は日本人の約8割が罹患し、歯を失う主な原因であること、また全身へ悪影響を及ぼすことも報告されています。 全身への影響として糖尿病、心血管疾患、誤嚥性肺炎等があり、これらは新型コロナウイルスに感染した場合に重篤化させる要因になると言われています。

歯周病予防として単に歯を磨いていればいいというわけではありません。 細菌の塊であるプラーク(歯垢)が落とすことが大切です。 特に歯周病の予防には歯と歯茎の境目のプラークを除去することが大切であり、それには歯ブラシの当て方が重要です。 歯茎が痩せて歯の根(象牙質)が見えてきている場合、歯ブラシだけではプラークを除去するのは困難なため歯間ブラシやデンタルフロスの使用も必要となります。 また、象牙質はエナメル質と比べると軟らかいため、強く磨くと削れてしまい知覚過敏症状も出ることもあります。

日々の歯磨きでご不明なことや心配なことがありましたら、どうぞ来院時にご相談ください。



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