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 コラム 第201回  2021. 03. 31

食いしばりの話

桜も満開となり、暖かく過ごしやすい日々となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

日常で歯が痛い、顎が痛い、歯がしみるといった症状を感じることはないでしょうか。 日々の診療をしていますと、このような症状を訴えて来院される方が増えているように感じます。 お口の中を見ると、頬の内側や舌の脇に歯の形の跡が認められる事が多いです。 この原因として、日中上下の歯をくっつけている事が考えられます。 1日の中で上下の歯が接触するのは食事の時など20分程度と言われています。 何時間も歯が接触していると歯、歯周組織、筋肉および顎の関節に負担や疲労が生じます。 その結果として痛みや知覚過敏の自覚、歯周病の悪化を招くこともあります。 このような日常歯をくっつけているのが癖になっている事をTCH(Tooth Contacting Habit)と言います。 一般的に歯ぎしりや食いしばりというと強い力を想像されると思います。 強い力で噛んでいると自覚しやすいものですが、TCHは弱い力のため自分では気づきにくいのです。

TCHを生じる原因として、スマホやパソコンの操作など、緊張、集中して作業を行なっている事が挙げられます。 改善させるにはまず自分自身で噛んでいることに気づく事です。 デスクワークが多い方であれば「歯を離す」、「リラックスする」といったメモを視線に入る場所に貼って気づける環境を作ることが大切です。 メモを見て噛んでいると感じたら深呼吸をしてみてください。

新年度を迎えるにあたり期待、不安があるかと思います。 そのような時に歯をくっつけているかもしれません。 もし、歯の痛みを感じることがあれば今噛んでいなかったかな?と意識してみてください。




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