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 コラム 第185回  2019. 11. 29

狐につままれたお話

東京は、この所ぐずついた天気が続きます。秋も深まり、もう冬が近いことを感じさせられます。 ついこの間まで暑さに振り回されていたかとは思えないくらいで、四季の移ろいの早さを感じます。 今年も早や、インフルエンザが流行りつつある様ですので、みなさん、うがい手洗いの励行をお願いします。

青天の霹靂とは、この様なことをいうのでしょうか。 先月末に毎年の人間ドックを受けた際、肝臓に病変が見つかり精密検査の結果、入院加療が必要と言うことになりました。 ドックを受ける前も検査中も入院している今も、今までと変わらずなので狐につままれた様です。 やはり肝臓は、サイレント臓器なのですね。 この際主治医の言うことをよく聞いて、しっかり治療したいと思います。

しかし、初めての入院生活で、病院という所はこんなに忙しい所なのかと、改めて感じました。 朝6時起床、部屋の電気が一斉につきます。 部屋ごとにその日の担当の看護師さんが体温、血圧、酸素分圧を計りにきてくれます。 そのとき昨晩はよく眠れましたかとか、色々と話を聞いてくれます。 入院中と言うのはどの様な状況でもこんなに心細いものかとつくづく思い知らされました。 8時頃には主治医の先生が様子を見にきてくださいます。 経過は順調ですからこのまま治療を進めていきましょう、との言葉にとても勇気ずけられます。 その後も時々顔を見にきてくだるのですが、病院の先生方はいつ休んでいるのだろうと、逆に心配にもなります。 朝昼晩病院食を食べながらそこそこ動き回るうちに、この一週間で体重が3キロも落ちました。 8日間の入院生活で今までの生活を改めて、患者さんの求めに答えられる様、体調管理をしっかりと生活しようと思います。 今日退院許可が出ましたが、これからは何週間おきかで定期的に通院しますので、休診日ができると思いますが、そんな時は息子が診療してくれるというので、甘えることにしました。 そろそろ夜の9時消灯時間になります。 夜がまた長いのです。 皆さんにはご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

両親が住んでいた榛名の庭に柚子の木があるのですが、父の晩年に豊作だった年があり、全部摘んで私たち家族のものにたくさん配ってくれた事がありました。 柚子の木は、実ったのを全部取ってしまうと翌年から実らなくなるんですよと聞きました。 案の定それからと言うもの毎年の実りをまだかまだかと待っていたのですが、ひとつも実ることはありませんでした。 それが今年ようやく6個の実をつけました。 緑の葉の中に黄色に輝く実を見つけた時には、皆で歓喜いたしました。 自分もこの実りのごとく、元気に復活する様、養生したいと思っています。



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