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 コラム 第171回  2018. 9. 28

歯の再植のお話

 記録的な猛暑を経験した夏が過ぎ、ようやく凌ぎやすくなってきたこの頃です。 暑さ寒さも彼岸までと言いますが、先日榛名に行きましたら、涼やかな秋風のもとに彼岸花が咲いていました。 しかし、また猛烈な台風が北へ進路を変えて、日本列島に向かっているとのことです。 情報収集を怠らず、接近に備えましょう。

 近年、片山歯科医院では、歯の再植手術をよく行っています。 一昔前ならば抜歯をしてブリッジか義歯になるケースでも、歯を抜いた後に処理をして元の位置に戻すことで、再利用するというものです。 今回は、この治療法について簡単にお話ししましょう。 歯を抜かなければならないのは、虫歯が植わっている骨よりも深くまで広がった場合(図1)、根が割れた場合(図2)、 根の先に病巣が出来て根の治療をしても治癒に至らない場合(図3)、歯槽膿漏で歯がぐらぐらになった場合(図4)が殆どです。 これらの場合でも、程度によっては歯牙再植手術をして、その歯がもうひと頑張りできる環境づくりをすることが出来ます。

抜歯に至るケース

 この歯牙再植治療は、歯の根の形態や病巣の範囲によって、この治療が可能か否かの判断の難しい面もあります。 従って、この手術もすべての歯に行えるものではありません。 また術後に再植した歯を安静に保つため、強固に固定する必要があります。 そして、この治療が可能になったのは、生体親和性の接着剤が開発され、抜歯後に口腔外で割れた根を張り合わせたり、 根の先端を切断した後を封鎖したり出来るようになったからです。また近年、再生療法にとても有効な薬剤も開発され、益々有効な治療となってきています。

 本院の治療の特徴の一つであります、ネジ止め式の術者可撤式ブリッジの支柱になっている歯が問題を起こした場合には、 確実で強固な固定が得られるために、再植治療は非常に有効な治療だと考えています。 先代からの患者さんは、治療後30年以上経過しているケースも多く、この様にして多様な変化に対応し、皆さんの歯の健康維持に努めたいと思っています。



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