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 コラム 第170回  2018. 8. 30

熊本に行ってきました

 猛暑がひと段落したと思いましたら、また体温を越える気温が続きます。 また、今年は、日本列島に向かって次々と台風が襲ってきていますし、ゲリラ豪雨と呼ばれる突然の激しい雨もしばしば起こっています。気象情報は常にチェックして、早めの避難等身を守る手段を常に心がけ、充分に気を付けてお過ごしください。

 今年の歯科警察医会全国大会は、熊本で開催されました。 震災から2年が経ち、市内は人通りも多くとても賑やかでしたが、復興にはまだまだ時間がかかるとのことでした。 シンボルの熊本城は石垣を元通りにするためには30年かかるそうです。 いたるところの空き地に番号をふった石が沢山並べてありました。 震源に近いところでは、今も仮設住宅で暮らしている方もいて、ご不自由な暮らしで、体調を崩した方も多いそうです。

 今回の学会でも取り上げられていましたが、熊本地震では震災で亡くなられた50人よりも、 震災が無ければ生きられたのに後で亡くなられた方が熊本県、大分県合わせて170人を超えはるかに多かったという事でした。 これを災害関連死と言い、その原因としては肺炎など感染症によるものが最も多かったそうです。

 水不足などの理由でケアや服薬が出来ないというよりも、復興に時間を割かれケアをしなかったために、 元々ある何らかの病変が悪化したという事だったそうです。 悲惨な状況を生き延びた命を消さないために、周りからそれぞれの専門性を生かしてサポートすることが大切です。 それが出来なければ、本当の復興支援とは言えないでしょう。 その為の組織だったシステム作りをするという課題を確認しあい、熊本の会は閉幕となりました。

夕刻の熊本城(2018/8/25 撮影)

 帰る前に、熊本城を見てきました。 遠目で見たときは、鯱まで載っていて漆喰の白と瓦の黒とのコントラストが綺麗で、早い復興に目を見張っていました。 しかし、中に入って崩れたままの石垣の間から雑草が生えているのを見たときは、改めて復興の大変さを痛感させられました。

熊本城 崩れたままの石垣(2018/8/26 撮影)


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