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 コラム 第153回  2017. 3. 28

ずっと健康な歯で

  暑さ寒さも彼岸までと申しますが、厳しかった冬も去り、ようやく春めいてまいりました。 気持ちの上でも元気が出てくる今日この頃です。東京では桜の開花宣言が出されました。 靖国神社にある基準となる木に花が咲きはじめると開花なのだそうです。 ただその次の日には急にまた、冬の寒さに戻りました。これを、花冷えというのでしょうか。 風邪をひかないように気を付けましょう。

  冬の寒さの中、やはり今年も歯を食いしばることによって噛み合わせの変調や、歯の根の奥に鈍痛を感じて来院される方が何人かいらっしゃいました。 幸い大事に至った方はいらっしゃいませんでしたが、もともと歯周病があってこのような状況になると、重症化してしまいます。 食いしばりや噛みしめに加えて、不正咬合、ストレス、喫煙、不規則な食習慣、清掃不足が重なると重症化に拍車がかかってしまいます。

  先月のコラムにも歯周病の話題を取り上げましたが、歯周病の話題が多いのには、やはりそれなりの理由があります。 子供の健康に気を配る保護者が増え、3歳児歯科健診までは、虫歯ゼロの子供がとても多くなっています。 ところが、乳歯から永久歯へと生え変わりの時期から、永久歯列の完成時期までの間に、徐々に虫歯を持つ子が増え、子供の歯肉炎も増加しています。 丁度そのころから日本の子供には、中学受験、高校受験、大学受験と人生の難関の時期と重なります。 寸暇を惜しんで勉強するうちに、歯磨き習慣が崩れてしまったり、間食が増えたりとなりがちです。 結果として、歯垢を付けたままにしておくと、歯茎がブヨブヨして歯ブラシを充てると出血したり、痛みを感じたりすることもあります。 痛いから歯磨きをしないでおこう、という事になります。 こうした悪循環が歯周病につながっているのではないかと、私は考えています。

  このような状況を防ぐためにも、最近盛んに見られるようになった、歯のテレビCMなどで注意を喚起することは、とても有意義なことだと思います。 加えて歯科医から、豊富な歯科知識をもっと提供するために、働きかけなければならないと思います。 そのためには、ぜひ子供のうちからかかりつけの歯科医を決めて、定期的にチェックしてもらうようにしましょう。 次の世代を担う子供たちが、健康に過ごせるようお手伝いが出来れば、私はとても幸せです。


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