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 コラム 第142回      2016. 4. 28

今だからこそ

  今年も、診療室の窓から見える街路樹のハナミズキが満開になりました。 銀座で季節を感じることが出来る、数少ないアイテムです。 歌舞伎座が新しくなってから、5階の屋上庭園にも桜や紅葉を見ることが出来るようになりましたが、 私は白とピンク色の花を咲かせるハナミズキがとても好きです。 もともとは、アメリカが原産のこの木は、日本の気候にもとても合っているのでしょう。 可憐な花に、毎年楽しませてもらっています。

  先月は、東日本大震災から5年たったことを書きましたが、今月熊本で巨大地震が発生し、多くの方が避難所生活をされています。 心からお見舞い申し上げます。 この地震がいつ鎮まるか分からない中、不安な日々を過ごされておられる様子が報道されています。 復旧に携わっていらっしゃる方も含めてたくさんのストレスをお持ちと思いますが、どうぞ御身お大切になさってください。 ストレスで起こる口腔内の異変については、このコラムでも何度かお話ししましたが、こういう時こそ口腔ケアは大切ですので、 大変とは思いますがどうか忘れずに続けてください。 熊本で開業している私の後輩は、すでに診療を再開して頑張っていますし、皆さん、我慢しすぎないで専門家に助けを求めてください。

  さて私はいつも、極力歯を残すことを考えて治療をしているのですが、歯周病に罹患した歯をどうするかでいつも悩みます。 最近はテレビのCMでもよく見ますが、歯周病になると、歯を支えている根の周りの骨が溶けてなくなっていきます。 歯を支えている骨を歯槽骨と言いますが、日本人の歯根の長さは平均1.5cmくらいで歯槽骨も初めはこのくらいあります。 歯槽骨が多くあるうちは、抜歯してもそれ以降骨吸収はあまり起こりません。 ですから義歯になっても安定の良いものが作れます。歯槽骨が吸収された後抜歯した場合、顎の骨は平らになってしまい義歯を作る際に苦労します。 しかし、義歯というと、特に女性は老いを意識して敬遠されます。 他の歯科医院で抜歯と言われて何とかなりませんかと駆けこまれて、抜かずに治療して20年以上もそのままご自分の歯で過ごされている方が何人もいらっしゃいます。 ですから私は、何とかして残そうとし過ぎてしまうのかもしれません。 その方たちがご高齢となり、治療が必要となった時もほとんどの方が、義歯は勘弁してほしいとおっしゃいます。 一方、まだ若い時期から義歯になり、ずっと使い続けてご自身の体の一部となっている患者さんも多くいらっしゃいます。 食事も制限なく何でも食べられますとおっしゃる方がほとんどです。

  抜かずに治療した場合はもちろん、義歯の場合も、いずれにしても定期的なメンテナンスが重要です。 後輩のように自ら被災しながらもいち早く診療を再開した歯科医の先生たちも、そのことを思ってのことだと思います。 今はそんなこと言っている場合ではないと考えずに、今だからこそ大切になさって下さい。


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