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 コラム 第132回      2015. 6. 30

根管治療のお話

  各地で梅雨前線の活動が活発な日々が続きます。 そんな中、先週末は良い天気に恵まれ、大学時代の仲間たちと以前から計画していた温泉旅行に行ってきました。 卒業以来久し振りに会う友人もいて、温泉につかりながら楽しく過ごして帰宅しました。 卒業して35年、つまり歯科医になって35年の仲間との再会は感慨深く、深夜になっても尽きることなくいろいろな話ができました。 それぞれの歩んだ歯科医人生、歯科に関する思い、これからのことなど歯に衣着せぬ語らいで、同じ教育を受けた者は似た思いを持つものなのだなと感じました。

  話の中で、日々の診療での悩み事などで最も多かったのが、歯の根の治療のことでした。 やはり、口腔内の疾患のすべてが細菌との戦いだという事で、目に見えない敵をいかにして退治しているか意見を述べ合いました。 歯の中心部には歯髄という軟組織があります。 この歯髄組織には、多くの神経線維が含まれているために通称「神経」と呼ばれています。 虫歯が深くなったり、歯が折れたりして歯髄が露出してしまうと、歯髄組織を取り除かなければならなくなり、 「神経までいっているので神経を取りましょう。」という表現をよく使って歯の根の治療が行われます。 この治療の時、歯髄を取り除いた後の空洞内に細菌を残さず治療するにはどうすればよいかが、我々の治療で最も重要だといっても過言ではありません。 歯の中に空いた小さな空洞を綺麗にして密封する治療には時間がかかりますので、患者さんにとっても耐えなければならない治療となります。

  根の中の神経は取り除かれていても、歯の先端から周りの歯根膜組織には、多くの鋭敏な神経が張り巡らされていますので、 治療中や治療後に神経が無いはずなのに痛みを感じることがしばしば起きるのは、これらの神経の反応なのです。  いかに痛みを押さえ、細菌を残さず治療を行うか、友人たちも私と同じ苦労をしているのだと知らされました。 これが治療の予後に、大きくかかわってきます。

  歯の根の治療のことを根管治療と称しこの治療を完ぺきに行えば、歯を抜かずにご自分の歯を残した治療を選択することが可能となります。 歯髄組織がなくなった歯でも、歯の周りの歯根膜は健全で、この先、その歯は以前と同じように機能してくれるのです。 そう思って、根管治療を受けることになったときは、長い時間口を開けたままの治療に耐えて頑張ってください。 その後に修復して、元通り咀嚼できるようになります。 根管治療は、患者さんにとっても歯科医にとっても根気のいる治療ですが、その後の希望につながる治療だと思ってお受けになってください。


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