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 コラム 第97回      2012. 7. 27

古くて新しいお話

  梅雨明け宣言の後、暑い夏がやってくるのかと思っておりましが、涼しい日が数日続き、今はまた猛暑となりました。 急に暑くなると体が順応せず、体調を崩すと言います。これから来る暑さへの対策を十分にして過ごしたいと思います。
  先日実家で父の新盆を迎えました。戦後まもなく目黒区洗足で居を構え、矯正専門医の母と夫婦で自宅開業し、 今の地銀座へ移転して私に引き継ぐまで、こつこつと地道に歩んできた道のりを思いながら、兄弟夫婦四人で亡き両親を偲びました。

  先月は、映画「三丁目の夕日」の時代背景のお話しを書きましたが、父たちの遺品を整理しておりましたら、その頃の歯科雑誌が大量に出てきました。 ぱらぱらと捲りながら特集記事などを読んでみると、今と似たようなトピックスがあるのにビックリしました。 むし歯のこと、根の治療のこと、歯周病のこと、噛み合せの事など今の雑誌にも特集が組まれることが多いものでした。 当時と比べて、材料や器具は格段に進歩したとはいえ、解決すべき命題はまだ解決されてはいないということなのでしょうか。
  当時歯周病といえば、歯槽膿漏といって歯茎から膿が漏れ出して、歯を支える骨がどんどん溶けてなくなってゆく病気で、 顎の骨を守るためには歯を抜くしかないと言われていました。 しかし今では、歯周病は高血圧症や、糖尿病と同じで生活習慣病に指定されています。 これらの病気はメタボリックシンドロームと言われて、過食や運動不足などによってもたらされる肥満と深く関わりがあり、 喫煙習慣やストレスが加わると悪化する症候群とされています。

  歯周病に関して言えば、その病態像は昔となんら変わっていませんが、発症の背景は現代とは多少変わっているように思います。 当時歯周病といえば長年のツケが回ったという事で高齢者がかかる病であって、歯を抜いて義歯も仕方が無いかという時代でした。 しかし、食習慣から見れば、軟食傾向にある現代は、明らかに歯周病の低年齢化が見られます。 3〜40歳代で抜いて義歯というには抵抗のある年代で、何とか残そうとする努力をするようになりました。 歯茎の手術をして歯周ポケットを浅くして原因菌の繁殖を抑え、歯を連結して揺れを抑え、 形態修正をして歯と歯の隙間を埋めたりといった保存に向けた努力を払うようになりました。 同時に歯周病予防のための製品も開発されました。最も注目されるべきは、歯周病を治療する事で糖尿病が改善されるということが解ってきたことです。
  先日慈恵会医科大学で開かれた、東京都の区中央部糖尿病医療連携検討会に出席して、糖尿病治療にはかかりつけの医師、歯科医師、 薬剤師による連携が最も効果的でそのシステム作りと啓発活動をどのようにすべきかを議論してきました。 特に注目されたのは、予防の段階から連携しようというものでした。

  生活習慣病としてはっきりと目に見える形で現れるのが歯周病です。 老後の食事を楽しむためにも歯周病予防に取り組みましょう。 くどいようですが、一にも二にもお口の清掃ですので頑張りましょう。       


7月の歌舞伎座 (2012/7/26)

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