ホームへ > 院長のコラム最新号へ

 コラム・バックナンバー・インデックス

 コラム 96回      2012. 6. 28

足るを知るお話

   入梅とともに天候が定まらず、各地で降雨による被害が相次いでいます。 日本列島を縦断した先日の台風4号が、父の住んでおりました高崎を直撃し、庭の寒桜が折れてしまいました。 週末に様子を見に行きましたが、住まいに被害は無く安堵したところです。皆様くれぐれもお大切にお過ごし下さい。

   先日兄と二人で、山梨県甲州市の塩山にある臨済宗向嶽寺派大本山向嶽寺に行ってまいりました。 このお寺の先々代の管長、三輪燈外老師様は、父が若い頃から慕っていた方でした。 私たち兄弟も小さいときからこの老師様には孫のようにかわいがっていただき、父に連れられて座禅をくみに行ったりした思い出の多いお寺です。 燈外老師様の墓前に父の逝去の報告をしてまいりました。 出迎えてくださった現管長の宮本大峰老師様は、向嶽寺にこられて25年にわたり、由緒ある大本山でありながら度重なる火災で焼失していた 建造物を再現させて物心ともに立派なお寺に復興された高僧でいらっしゃいます。

   兄とともにお茶をいただきながら、いろんなお話を聞かせていただきました。 お話の中で、昭和30年当時の御自分の修行時代と今の社会とを比べられて、物に対する感激が薄れてしまっているようだと仰っていました。 また、ひとつの行をなし終えた後、涙が出るほどの嬉しさを感じるような達成感を今の若者は経験することがあるのだろうかとも話しておいででした。 兄は、確かに幼かった頃5円玉を握り締めて求めた駄菓子のなんと美味しく嬉しく感じたことかと話しておりました。 昭和26年生まれの兄と昭和28年生まれの私の世代は、団塊後の世代で、映画「三丁目の夕日」に出てくる子供たちと自分たちが重なっていて、 戦後が終わり東京タワーの完成から東京オリンピックへ向けた建設ラッシュは、鮮明な記憶として存在します。 兄は去年還暦を迎え、私は今月59歳になりました。戦後父たちの世代が築き上げた今を、謳歌させてもらっています。

   農業自給率39%しかない日本は、輸入食糧の30%に当たる量を廃棄している現状を、如何考えたらよいのでしょうか。 人生最期の食事に何を食べたいかを問われたとき、若い世代は一生懸命考えて今までの自分には手の届かなかった高級料理を選ぶそうです。 我々世代の中高年は、今迄で一番の思い出の食事を食べたいと言い、もっと年齢がいくと、最期まで自分の口から食べていられたらそれで良いと言うそうです。 皆さんの願いが叶えられますよう、口腔管理のお手伝いをさせていただこうとの思いを新たにして帰ってまいりました。


6月の歌舞伎座 (2012/6/20)

このページの上へ↑

Copyright(c) 2004-2019 Katayama-shika. All rights reserved.