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 コラム 第87回     2011. 9. 29

秋が来ましたが・・・

 秋分の日が過ぎて、ようやく暑かった今年の夏も終わったようです。暑いときには、涼しい秋が早く来ないかと思って過ごしていましたが、 ほっとすると同時になんとなく寂しい気分になるのは、私だけでしょうか。
 それにしても今年は、台風15号で追い討ちを掛けられ、全国各地で自然災害の脅威を思い知らされています。 加えて目に見えない放射性物質の拡散は、実りの秋を喜べなくしてしまっています。 本当は、清々しい秋の空気を胸いっぱい吸い込んで、秋の味覚を楽しめる時期なのに残念です。

 こんなことばかり書いていると、気がめいって体まで萎えてきそうです。 そうすると不思議なもので、からだの抵抗力も低下してきます。 マイナス思考から開放されるためには、敵を知りこれを克服して、前向きに一歩づつ進もうという気持ちが何よりも大切です。
 日本中が今最も恐れている敵は、放射性物質による脅威でしょう。 これを如何に収束させるかは、現場の専門家が必死で頑張ってくれています。 我々一般市民は、この脅威からどのように身を守るかを考える必要があります。 ただただ恐れるばかりではなく、日々発表される放射線の数値を見て、これがどんな状況なのか各人がしっかり把握できることが大切です。 シーベルトとかベクレルが何を意味するもので、数値がどうなるとどんな影響があるのかを知っておく必要があります。

 原子力ハンドブックによると、放射線による人体への影響度合いを表す単位を「シーベルト(Sv)」、 放射性物質が放射線を出す能力を表す単位を「ベクレル(Bq)」というと書いてあります。 更に、放射性物質にはさまざまな種類があり、放射性物質によって、放出される放射線の種類やエネルギーの大きさが異なるため、 これにより人体が受ける影響は異なります。このため、放射線が人体に与える影響は、放射性物質の放射能量(ベクレル)の大小を比較するのではなく、 放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を受ける身体の部位なども考慮した数値(シーベルト)で比較する必要があります。

 今回の原発事故で、飛散したセシウム137が、群馬県桐生市の山間部の一部で10万〜30万ベクレルの蓄積があって、この地域での放射線量は、 毎時0.00005〜0.0001ミリシーベルト(ゼロの数が多いので報道などでは1/1000の単位のマイクロシーベルトがよく使われています) であったとの文部科学省の調査結果が27日に発表されました。 日本では、これまで自然の地放射線や宇宙線などの影響により1年で約2.4ミリシーベルト被爆するとされていて、 1日約0.004ミリシーベルト自然被曝する計算でしたから、一昨日の発表と比べてもセシウムの被爆量だけですが、 桐生の山間部でも一日換算だと0.0024ミリシーベルトで、今までと大して変わりはないということがわかります。 しかし福島第一原発の周辺では、毎時0.015ミリシーベルトもあり、避難せざるを得ない状況がわかります(9月28日朝日新聞)。

 因みに歯科で使うレントゲンは一回の被曝量が0.001ミリシーベルトです。更に本院のように、デジタルセンサーを使用して撮影すると 更にこの1/10以下になります。 毎日出される各地の放射線量は、事故以前と比べてもさほど増えていないのが現状です。 ですからめいった心を少しでも和らげ、元気を出して、秋を楽しみたいと思います。


9月の歌舞伎座 (2011/9/22)

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