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 コラム 第84回     2011. 6. 27

誕生月

  今なお避難所で過ごす被災地の方々に、心よりお見舞い申し上げます。 暑さで体調を崩される方も多いかと思いますが、くれぐれもお大切にお過ごしください。 一日でも早く普通の暮らしに戻れますよう、お祈りします。

  私事ですが、今月また一つ年をとり、58歳になりました。 今年の誕生日ほどずいぶん年をとったなと感じたことはありませんでした。 理由は、還暦まであと2年となったことです。 自分では全く年をとったと感じていなかったのに、気がつけばもうこんな年齢になっていました。 実際、歯科医になって三十余年、経験を積んで、私自身脂がのっていると感じているところです。(お腹周りの脂ものっていますが…。) 日々の診療を通じて、様々な患者さんと向き合い、考え、悩み、教わりと、臨床医としての喜びを感じて過ごしています。 最高のスタッフにも恵まれ、皆の助けを受けながら充実した毎日を送らせてもらい、幸せです。 60歳定年のところもありますが、まだまだ元気に働ける歳だと思っています。 患者さんからもうやめなさいと言われるまで、続けたいと思っています。 私の父が母の介護に専念するといって、治療から離れたのは78歳でした。 今年で91歳になりますがいまでも、母が元気でいたらずっと続けていたかったと、言っています。 最近その気持ちがわかるように感じます。

  目黒区洗足の実家で内科医院を開業している兄は、今年還暦を迎えます。 もう歳だと言いながら仕事を続けている兄も、診療所と往診とで洗足の街を走り回っています。 超高齢社会の中、家内の父も兄を頼りにしています。 脳梗塞で片麻痺の体にいくつもの持病を持つ父は、大病院に行けば即入院といわれる身でありながら、兄の処方してくれる薬で命を存えています。 状態によって薬を変えながら、若い医者には解らんだろうなと、匙加減をしてくれています。 やはり兄も脂の乗った時期なのだろうと思います。 兄も私も、父や先輩達から教わった多くの事を、長年の経験の中で培いながら、自分の形に作り替え今の姿があるように思います。 そしてまた、この歳になると自分に磨きをかけるのと同時に、これを次の世代に伝授するのも、仕事の一つだと思うようになりました。

  どこにいても、周りの人の口元に目が行ってしまいます。 気がつけば歯のことを考えているようです。 寝ている時も夢で治療計画を立てていたりしています。 人は歯医者バカと言うかもしれませんが、私はそれで幸せです。

6月の歌舞伎座  (2011/6/27)

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