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 コラム 第64回     2009. 10. 23

食欲の秋のお話

 
診療室の窓から見える景色にも季節の移ろいを感じさせるものがいくつかあります。ひとつは、街路樹のハナミズキで、今は赤茶色の紅葉真っ盛りです。もうひとつは真っ青な秋の空です。時々飛行船が、のんびりと秋の空を散歩しています。一年のうちで一番清々しい空気を感じられるのが、今の季節だと思います。過ごしやすい季節となりました。

 
また秋は、食欲の秋でもあり、おいしいものがたくさん出てきて、楽しい限りです。ついつい食べ過ぎてまた体重が増えそうで怖いです。しかし、食べ方に工夫をして、食べても太らない方法を考えています。昔から、よく噛んで食事をすると太らないといいますが、これを真剣に実行してみようと思っています。
 先ず、一口の量を少なくします。一口の量は、ウズラの卵の大きさ(通常の1/3くらい)くらいにします。次に噛む回数を多くします。具体的に一口なん噛みかというと、50回くらいです。口に入れたものが唾液とよく混ざり、こねられてどんどん柔らかくなるのが分かります。すると飲み込むとき喉に何の抵抗もなくすんなり飲み込むことが出来ます。
 結果として、胃での消化がスムーズになり胃の負担が減ります。更に、以降の消化吸収が活発になり、食べたものから最大限の栄養を取り入れることが出来、便通も良くなります。

 一食で何千回も咀嚼するわけですから、当然顎が疲れてきます。顎が疲れると、大脳の満腹中枢に刺激が伝わり、あまり噛まずに食事をした時よりも少ない量で、早く満腹感を覚えます。これで健康的に痩せられると思うのですが如何でしょうか。

 
実際に長野県のある小学校の養護教諭が給食のときにおかわりをする量と、咀嚼回数の相関を調べた結果、咀嚼回数が少ない生徒におかわりが多く肥満の傾向が見られることがわかりました。この先生は歯科衛生士でもあったので、生徒たちに何とかよく噛んで給食を食べさせようと考えて「かみかみセンサー」という道具を考案しました。日本咀嚼学会で何度かこの先生の講演を聴きましたが、ユニークな考えを持った方で、これは生徒たちの競争心をあおりつつ知らぬ間に咀嚼回数を増やすとともに咬合力をつけるという道具です。
 簡単に言うと、食事のときに口をあくと下顎にセンサーが当たり咀嚼回数をカウントする、ヘッドホンのようなものです。30回噛むとピピッと音がして飲み込みの合図をし、1000回噛むとメロディが流れるというものです。これで生徒たちは、学校の給食だけでなく家にも持ち帰って食事の時にはこれをつけて一食で何回噛んだかをみんなで競争するようになったそうです。すると、肥満気味だった生徒もスリムになり、噛む力も以前より強くなったという結果が得られました。あちこちでピッピッと聞こえる教室で、みんな楽しそうに給食を食べる姿を見ながら、先生はその効果を喜んだということでした。

かみかみセンサーはつけませんが、私もよく噛んで、ダイエットを試みています。


 

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