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 コラム 第45回     2008. 3. 25

金属のお話

 
春の嵐が吹き荒れる昨今です。暑さ寒さも彼岸までと言うように、春の訪れを感じています。花粉症で苦しんでいらっしゃる方々には、どうぞご自愛ください。
 戦後アメリカ経済に、おんぶして復興してきた日本ですから、アメリカがくしゃみをすると日本も風邪を引くと比喩されています。経済の仕組みの事はよく解りませんが、私たちの使用する貴金属の合金が、毎週のように値上がりして困っております。これから先どうなるのでしょうか。

 歯科で使用する合金は様々ですが、私は白金加金合金を使用しています。口の中で何時までも安定であるということが、最も重要な理由です。土の中から出てきた江戸時代の大判や小判が山吹色のままだったという話は、皆さんもご存知でしょう。出土品の鉄製の剣や銅製の鎧などは、錆びて変色したり土中に溶け出したりします。

 
また、食事中に、ステンレス製のナイフやフォークが被せた金属の冠に触れたとき、ビリビリと電気が走った経験をお持ちの方ともいると思います。これは、皆さんも中学や高校の理科で習ったことのある、酸化還元反応なのです。異種金属が唾液を介して触れ合うと、電位差が生じて、ビリビリと電気が流れ歯の神経に痛みが生じたり、舌先にビリビリ来たりするのです。これが、豆電球を点灯させた、ボルタの電池と言う酸化還元電位なのです。

 
二つの金属のどちらが酸化されて、どちらが還元されるかを元素同士で比べて順番をつけたのが、イオン化傾向というものです。「かりようかなまああてにすんなひどすぎるしゃっきん」と憶えさせられた記憶があると思います。
 つまりイオン化傾向の大きい順に金属を並べると、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、錫、鉛、水素、銅、水銀、銀、白金、金となります。ですから白金、金は、最もイオン化しにくい金属ということです。

 
白金加金は、金のやわらかさを硬い白金で補って作られた合金で、何時も過酷な条件の下にあるお口の中で、最も安定した貴金属合金であると言うことになるわけです。

 この合金をこれからも安定して使用できるように、経済界の人たちには頑張っていただきたいものです。

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