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 コラム 第29回     2006. 11. 20

人生の壁のお話


 最近急に寒くなってきましたが、皆様お風邪などひかぬようお気をつけください。

この1ヶ月は、子供たちの自殺が毎日のように報じられています。とても悲しいことです。これからの日本を作っていかなければならない子供たちが、自ら命を絶つなどあってはならないことです。ふとした事から自分の存在を無意味に感じてしまうことは、誰でも子供時代に経験したことではないでしょうか。

 壁にぶつかった時、目の前の壁を叩き壊して突き進むことも、精神力を鍛える意味で必要かもしれません。しかし、壊した後には修復が必要ですし、もしその壁が叩き壊せるものでなかったならば、もうそこから一歩も先へ行けなくなってしまいます。そんな時一歩下がって、壁の形や大きさを観察する眼を持ったらどうでしょうか。一歩下がってもわからなかったら壁の形が判るまで二歩でも三歩でも下がって観察できるゆとりが欲しいものです。そうすることで立ちはだかっていた壁は、目の前にあるだけだったり、簡単にくぐりぬけられる扉がついていることを見つけたりします。それに、そうやって壁を眺められる位置に立ってみると意外な発見があったりして、壁の前でじたばたしていたことが可笑しくなってしまうことさえあります。ゆとり教育とは、子供たちがそんな眼を養うことが出来るようにと考えられたと思うのですが、その時間に塾通いでは本末転倒でしょう。

 人間痛めつけられたら、ろくな事を考えないようになってしまうと思います。身近に居る人生の先輩が、その子の出しているサインを見逃さないように気をつけてゆきたいものです。時が解決してくれる、と言うことがよくありますが何もしないでただ時間が過ぎてゆくのを待っていても事は解決しません。解決に向けた努力をして、その後にゆっくり時間をかけて待ちましょう。

 私の父は、27回目のコラムに書いた初めてのタバコの話のことは知らなかったでしょうが、隠れて吸っていたことは知っていたのでしょう、でなければポケットの中の証拠の話はしなかったでしょう。そうしてから時間が解決するのを待っていてくれたのでしょう。私にとっても単なる好奇心だったのでその後何も言われずにすんだのかもしれません。時間があったら今度聞いてみましょう。それとも、コラムを読んではじめて知って怒っているでしょうか。

 今月は、歯科に関する話はしませんでしたが、私のように父の代からずっと同じ患者さん方の定期健診を続けていますと、お口の中を診ただけで意外と変化に気がつくものなのです。粘膜というところは、それほどデリケートなところなので常日頃からいたわるようにしましょう。そうすれば、精神的なストレスで現れる症状も経過も軽く済みますから、日ごろからのケアを大切にしましょう。何もしないでいるとろくなことにはなりません、時が解決はしてくれませんから。

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