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  コラム  第27回    2006. 9. 20 

タバコのお話

  今日は、朝から雲ひとつ無い秋晴れです。今年の夏は、なんだかあっという間に過ぎてしまいました。 秋は学会の季節です、私もいくつか参加して勉強してきます。 さて、以前は、学会の休憩時間などでロビーに出ると、皆一斉にタバコを吸いだして、煙であたりが霞むほどでした。 そのころ私も喫煙者でしたので、なんとも思っていませんでしたし、自分も煙を出して気分転換をはかっていました。

  タバコの煙は、銘柄によって違った香りを持ち、私は、結構いろいろな種類を楽しんでいました。 チェリーに始まり、ハイライト、セブンスター、ラーク、サラトガ、ジタン、マイルドセブン、マイルドセブンスーパーライト、 キャスター、キャスターマイルドで終わりました。 私は、輸入タバコの方が香りも良く好きでしたが、強すぎたのと、なんだか生意気な感じがして、いつも軽いのを吸っていました。 子供の頃に、ホテルのロビーで嗅いだ葉巻の香りが大好きでした。 臭いのする方に眼をやると、必ず大きな外国人が、かっこよく燻らせていました。 外国に居るような気分に浸って、憧れていました。それは、タバコを止めた今でも同じです。

  父が吸っていた缶入りのピースを一本そっと持ち出して吸ってみようとしたのが、最初のタバコでした。 両切りタバコは、口の中に葉っぱの刻みがぱらぱらと落ちてきて、にがくて辛くて、火を着けるところまでいかずに捨ててしまった記憶があります。 次は高校のときで、都立大学のキャンパス内にある附属高校だったので、大学生に混ざって大人の気分で吸ってみました。 クラクラしたのを覚えています。それっきり吸わずに過ごして、次に吸ったのは浪人中で、この時初めて自分でタバコを買いました。 それからは、兄(二歳年上で大学生でした)の真似をして時々吸うようになりました。 徐々に本数も増えていき、父から、お前タバコくさいぞといわれると、友達が皆吸うから服に付くんだよ、などとうそをついて隠していました。 そんな頃父は、缶ピースを三日で二缶吸っていたのをぴったり止めており、タバコを吸っているかどうかは、 ポケットの中を見ればすぐ分かるんだぞと、よく言っていました。 どんなに気をつけていても、ポケットの中にタバコの刻みが落ちるので分かるのだそうです。 隠れタバコはそれで終わりにして、一日に二十本くらいのペースで、スパスパ吸いだしました。

  初めての禁煙は、患者さんから手がタバコ臭いと言われたときでした。 しかしあまり長続きせず、診療が終わってから寝るまでの間で、吸う様になりました。 その次の禁煙は、風邪の後セキが止まらなくなり、診療中もゴホゴホやっていたのを家内に叱られてからでした。 おかげでセキも収まり、また吸い始めたところ、なぜか口の中がやけにヤニ臭く感じてしまい、それならこのまま止めてみるかと、 今日まで続いてもう何年にもなります。 お陰様で、今ではもう吸いたいとは思いません。 禁煙の初日からしばらくは、タバコを吸ってしまって、私はなんて意志が弱いのだろうと後悔している夢を毎日見ていました。 朝目が覚めて夢でよかったとホッとして、夢でうなされるぐらいならば、またタバコを始めたほうがストレスから開放されるのではと思うこともありました。 でも一週間、一月、三月と経つうちに、やがて夢も見なくなり、友人と飲みに行って、周りでスパスパやっていても、吸わずに居られるようになりました。

  タバコを止めて気づいた事があります。 タバコを吸う人の息が臭いということです。 職業柄かもしれませんが、この人はタバコを吸う人か、吸わない人かが、直ぐに分かるようになりました。 自分が吸っていた時に、そんな事は全く分かりませんでした。 吸わない人の前では、遠慮して外で吸って戻ってきても、体中から、臭っていてバレバレだったのですね。 家内や娘にも大変申し訳なかったと、遅ればせながら謝罪したいと思います。

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