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 コラム  第18回    2005.12.20



 寒さが続きます。今年もいよいよ、あと10日余りとなりました。 12月に入って痛ましい事件がたて続けに起こって、大変なショックを受けました。 守ってあげなければならない子供達をあやめてしまうなど、あってはならないことなのに悲しい事です。

 今年の世相を表す漢字は、「愛」でした。私の一番好きな漢字で、娘の名前も愛子とつけました。 私達の営みの中で、最も大切なものだと思います。 他人を愛す、自然を愛す、地球を愛す、そして勿論自分を愛することが大切だと思います。 こんな自分は好き、だけどこんな自分は嫌いという事が誰にでもあると思います。 自分の嫌いな部分を変えていこうと努力する事が、自分を愛せるようになる第一歩だと思います。 しかし、自分で思っている好きな所と嫌いな所は、他からするとまた違って見えたりもします。 それを知るには、いろんなジャンルの多くの人と接触する事が大切だと思います。 自分の殻に閉じこもっていては、自分勝手な物の見方しか育ちません。 自分ひとりではなく、他人からの評価も必要です。 人と出会い話し合い、関心を持つ事で、たとえ意見が合わずとも尊重し合う気持ちが出来るのではないでしょうか。 無関心はいけません。

 私の子供の頃は、まだおせっかい焼きのおじさんや、おばさんがいて、怖かったものです。 それにあの子はどこの家の子か、みんなが知っていて、守ってくれていたようでした。 親になって思うことですが、親がそんな環境を作ってくれていたのだと解りました。 つまり親の生活態度をみんなが知っていて、守っていてくれていたのでしょう。人は皆、環境の動物です。 子供は、いつでも親の目の届くところに居るわけではありません。私たちは自分の娘に、いろいろな習い事をさせました。 そんな時私たちは、娘を預ける方たちに、努めて自分たちの物の考えを話したり、行動で表現したりして、自分の娘を守ってもらえる環境を作ってきたつもりです。

 それでも事故は、起きてしまうのでしょう。 みんなの目があることが、その事故を少しでも減らせる大切な手段となるのではないでしょうか。 大人が、子供を守ってあげなければ、誰が守ってあげるのでしょうか。

 料理研究家の服部幸應*さんが、世界中の中学3年生を対象に「先生を尊敬していますか」と質問した結果を、顔を曇らせながら言っていました。 アメリカ、韓国、中国の80%以上の生徒が「ハイ」と答えたのに対して、日本は21%だったそうです。 大人が子供に尊敬されていない国は、先行きが心配です。 先ず私たち大人が、子供達を社会の宝物として関心を持って見守りましょう。 おせっかいなおじさん、おばさんと言われるかも知れませんが、そうするうちに愛が生まれるように思うのです。

 服部さんは、料理家の立場から食育を訴え続けていらっしゃいます。 私も食べる健康をお手伝いする者の立場から食育を伝え、子供達と繋がってゆきたいと思います。 私は、子供から尊敬されないまでも、子供から慕われる大人でいたいと思います。

 やはり、すべての事は「愛」に繋がります。 新しい年は、愛に満ち溢れた年でありますことを祈りながら、今年の締めくくりにしたいと思います。 今年も一年読んで頂き有難うございました。皆さんどうぞよいお年をお迎えください。

参考文献 *服部幸應氏エッセイ「食育を教育の柱に」
     食育基本法案要綱

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