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 コラム  第17回    2005.11.21

お口で分かる規則正しい生活

 急に寒くなってきました。乾燥注意報と共にインフルエンザの流行が心配な季節ともなりました。 しかも今年は,鳥インフルエンザウィルスが変異してヒトからヒトへ感染する可能性が取りざたされています。 嗽、手洗いの励行を心がけましょう。たかが嗽ですがこれが想像以上の効果をもたらします。

 随分前になりますが、新聞の健康欄にある内科の医師が、現代人は薬を使った嗽や歯磨きをしすぎて免疫力を持った唾液をどんどん捨てて しまっているのは医学的な見地からするともったいないとコメントしていました。 さらにその理由を、最近は口内炎や口腔粘膜の糜爛(びらん)などが昔より非常に増えているからだとも言っていました。 その先生は、唾液の免疫能をもっと認識してもらいたかったからそんなコメントをしたのだと思います。

 私は、その意見には賛成できませんでした。 なぜなら唾液は必要に応じてどんどん出てくるものですし、よどみなく流れているほうがきれいで免疫力の高い唾液が作られるものだからです。 それだけではありません、歯磨きや嗽をしっかりしないと口腔内の細菌が級数的に増加して常在菌の恒常性を維持できなくなってしまいます。 結果として虫歯や歯周炎が発症します。口内炎などが昔より増えた理由は、嗽のしすぎにあるのではありません。 現代人は、昔と比べて軟食になったことがその一番の原因です。 また日常生活が不規則になって食事の時間が一定していなかったり、間食が多くなったりしています。

 この頃よく電車の中でパンやスナック類を食べる人を見かけますが以前はそんなことがあったでしょうか。 20年位前には塾帰りの子供たちが、遅い時間に集団で乗り込んできて、ジュースやチョコレートなどを頬張っていたのを見かけたことがよくありました。 あの頃の子供たちがその習慣を持ったまま大人になったのでしょうか。 電車の中など人前で平気で化粧をする女性達も含めて、私にはそのマナーがどうしても理解できません。

 今の日本人は、私を含めて老若男女すべて規則正しい生活が損なわれているように思えてなりません。 ヒトの体は、リズムで動いています。 そのリズムが崩れると体のどこかに変調が生じるのは自明の事でしょう。 生活にメリハリをつけるためにも、人間ドックや歯科の定期検診は必要だと思います。

 定期検診にみえる患者さんを長年拝見していると、その時々の状態の変化が口腔内に如実に現れます。 むし歯や歯周炎の有無だけでなく口腔粘膜や顎関節の変化などをいち早く察知して体の変調を見つけることもあります。 多くの場合半年に一度、リスクの高い場合は1〜3ヶ月に一度のチェックをお勧めしています。 治療の必要を感じた時だけ拝見するよりも、規則的に拝見しているほうが変化を見つけやすいものです。

 PMTCという言葉を聞いたことがおありでしょうか。 Professional Mechanical Teeth Cleaning の略で、歯のお掃除をプロが機能的に行うという意味なのです。 歯のお掃除だけでなく、治療後の変化やお口全体の少しの変化も見逃さぬよう、私はこれらを全て自分で行っています。 私は、自分の治療の予後を診ること以外にも些細な変化を見つけることも歯科医の大切な役割だと思っています。 皆さんも、規則正しい生活をして快適に過ごすように心がけましょう。


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