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 コラム  第2回   2004. 8. 20

虫歯のお話

 毎年8月の第1週目に夏休みをとらせて頂いております。今年は、家内と二人で仙台から出羽三山、鶴岡、酒田を巡ってきました。 羽黒山の三山神社ではちょうど御神体の御開帳に立ち会え、また松島では偶然にも塩竃神社から松島に神輿を運ぶ御座舟船団の勇壮を見ることができました。 何か良いことありそうな予感のする旅でした。

 さて松島と言えば、奥の細道の「松島やああ松島や松島や」が有名ですが、その芭蕉が面白い句を詠んでいます。 それは、「衰ひや歯に食いあてし海苔の砂」という一句です。芭蕉も歯槽膿漏で悩んでいたのでしょうか。それとも虫歯が痛かったのでしょうか。 これらは、歯に見られる二大疾患で、放置するとどちらも歯を失う結果となります。

 第1回目のコラムで歯には自然治癒能力が無いというお話をしました。 今回は、虫歯は如何にして出来るのかをお話しましょう。

 虫歯は、口の中にいつも住んでいる口腔内常在菌の一つである、ストレプトコッカスミュータンスという細菌によって引き起こされる感染症です。

 この細菌は、ネバネバした細菌の集落を作って歯にへばりついて生活します。 ショ糖を栄養源に生活するこの細菌は、代謝で酸を排泄し、それが歯の表面のエナメル質を溶かします。虫歯はその進行状態でC0〜C4に段階分けされます。

<歯の構造と虫歯の進行状況>
『命を狙う口の中のバイキン』奥田克爾 著 (一世出版)より

C0:  虫歯の始まりで、歯のつやがなくなり、エナメル質の表面が白くなったり、時には茶色っぽくなったりします。 この段階ではまだ歯を削らなくても再石灰化を促せる状態にあります。ブラッシングとクリーニング、 そしてフッ素を塗布したりすることで進行を止め、治すことができます。

C1:  C0を放置すると更に酸でエナメル質が溶け、色の変化だけでなく徐々に崩壊していきます。 まだ痛みはありませんが、歯の表面が粗造になって、わずかに穴があき始めます。 ここまでの段階でしたら、まだレーザーをあてて歯を硬くすることで虫歯の進行は、なんとか食い止められます。

C2:  虫歯がエナメル質だけでなく、その奥にある象牙質にも進行した状態です。冷たいものや熱いもので痛みを感じ、色も黒っぽくなって穴があきます。 侵入した細菌は、象牙質の有機成分も栄養源にしてどんどん歯を溶かして進行速度も早まり、範囲も急に広がってきます。 穴の入り口は小さくても内部で大きく広がっていることもあるので厄介です。 しかも歯髄からの体液の循環があるので痛みが伴います。ここまでくると感染した歯質は削り取って残りの細菌も薬で消毒し、 その後は何かで詰め物をして修復しなければなりません。

C3: 治療をしないで放置すると、細菌は更に奥にある歯髄に侵入し、ズキズキ痛むようになります。 この段階の治療は、歯髄内を薬で徹底的に消毒して細菌を無くし、歯髄を部分的にまたは全部取り除く治療もします。

C4:  歯の頭が崩壊し、根だけ残った状態です。歯髄の組織は、溶けてなくなってしまうので痛みは感じなくなります。 そして細菌は根の中を伝って根の先端から骨の中に入っていき、骨にも感染を起こしてしまいます。 信じられないかもしれませんが、病巣の細菌が血液中に入ると亜急性細菌性心内膜炎という心臓の疾患を引き起こすことも少なからずあります。

 怖いですね。
やはり定期的な検診と早めの治療が肝心ということでしょう。
ではまた次回をお楽しみに。

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